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今日は本業のお話を。
わたくしの敬愛するPT集団オッサロン。そっと背中をおしてくれる3人のオッサンたち。
そのオッサンたちが発信するラジオが楽しいので、訪問カーのなかでよく聞いています。
そのオッサロンの放送の中で、自分も考えこんでてしまった内容があったので、ここに綴ってみます。
「理学療法士の強みってなんですか?」
という質問。
なんだろうな~?
2日間考えてました。訪問カーの中で。
私が思う理学療法士の強み
患者さん、利用者さんの
現時点での最大値の動作能力、
できるADL(日常生活動作)を把握できる
ってことかなーと。
セラピストだったら普通にやっている基本的なところなので、周りがセラピストだらけだとそんなもんあたりまえと思い込んでしまうかもしれません。
しかし私がこの答えを導きだしたのは、エピソードをいくつかを思い出したからです。
異なるフィールドだからこそ気づく専門性
病院時代のお話。
レントゲン室の前を歩いていると、なにやら声が。
ふとのぞくと、放射線技師が2人がかりで患者さんを検査台に移乗させようとしている最中。
よくみると、その患者さん私の担当の方。リハ室では普通に平行棒で歩いています。
技師さんたちに
「〇〇さん、いつも歩いている練習しているんで、そばで見てあげたら御自分で移乗できますよ。」
とお伝えしました。そしてあっさり見守りで移乗する患者さん。
訪問でも珍しくないエピソード。
寝たきりで、排泄もベッド上で行っている。
骨折はない、全身状態も悪くない。
片方づつ足を上げれますか?とたずねれば、空中に上げることができる。
この時点でどの程度の能力があるか、たぶんセラピストならほぼわかるんじゃないでしょうか。
バイタルを確認しながら離床、座位の安定みて、バイタルの異常がなければ立位、介助量を確認しながら車椅子へ。
しばらく座ってみて異常がなければ伝い歩きまで行えるかもしれません。
ポータブルトイレの導入、もしくはトイレまでの導線が近かったり、介護力が高ければ自宅トイレの使用までもっていけるかもしれないです。
普通にあたりまえだと思って関わったのですが、利用者さんのご家族からは「魔法みた~い」と喜ばれました。
できることを引き出していく
なぜ魔法などどいわれるのか??
おそらく
車いすの人は立てない、歩けない
寝たきりのひとは起きることができない。
痛いから動かしちゃいけない。
などの思い込みなのではないかと思うのです。
セラピストは本人や家族やその人に関わる方々のそういった思い込みや恐怖心を、1枚づつはがしていくような、そんなものなのかなと思っています。
適切な評価をして問題点を抽出するという技術ももちろん必須です。
しかし安易に、そのままそれを患者さんや利用者さんに伝えるのはどうかなというのが私の意見です。
「伝え方」というのも必要なスキルだと最近痛感しています。
それは娘のにくっぺがASDだとわかってから、当事者の親となってから余計に感じるのです。
知りたいことは、この子がどんなことができて、具体的にどのようにすれば、より生活しやすくなるのか。
問題点ばかり羅列されたところで、欠点をあら捜しされたのと同じこと。
セラピストとしての腕のみせどころは他職種間やご家族で情報を共有して、本当はできる事と、実際にしている事との差をいかになくすか。
さっきの放射線技師さんには、
車いすの方には最初に一言「立てますか?」って尋ねるといいですよ。
とお話ししたところ、実行してみてとても助かったと喜んでもらえました。
環境を考える大切さ
在宅になるとそこに環境という要素が入ってきます。
環境とは、住居環境、介護力、家族の協力体制、経済力なども含まれ
ます。
ます。
もし、上記の寝たきりのご主人、奥様が高齢で老々介護だったら?
トイレまで介助で歩ける能力があっても、一日のうち何回も、昼も夜も高齢の奥様が介助しながらトイレへ連れていく。
なんてことが現実的に可能だと思いますか?
サービス入れたくても経済的に厳しい状況だったら?
奥様いつか倒れてしまいます。
発達障害のお子さんだったら、いくら療育をうけたところで、
親自身が何がなんでも治したい、普通の子と同じように
という気持ちが強かったら?
当事者さん自身がやりたいことは何でしょうか?
一番長く過ごす場所はどこでしょうか?
一緒に過ごす時間が長い人達は誰でしょうか?
そこをどうやってマネジメントしていくか?他職種連携していくのか?
在宅支援にはそういう能力も必要になってきます。
その辺はもうセラピストの資格を超えて、
コミュニケーション能力だったり、人間力だったり、行動力だったり。
そういうものがキラリと光る世界なんじゃないかと思っています。
人間くささが交錯する領域。だから訪問リハはとても奥深い領域だと感じています(*‘∀‘)
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